学校日記

6・16(金) 規則正しい生活の大切さ【校長室より】

公開日
2023/06/16
更新日
2023/06/16

校長室

 小児脳科学者である成田奈緒子さんは、発達障害児の臨床経験35年のベテラン医師です。その先生が著書『「発達障害」と間違われる子どもたち』(青春出版社2023/3/15第1刷)の中で、発達障害と診断されるかどうかわからない子どもたち「発達障害もどき」が多数いると述べています。

 落ち着きがない、多動である、他害行為があるなどなど・・・。

 一見、先天性の脳障害に起因する発達障害と同じような症候を示す子が近年増えています。発達障害かどうかは生育歴をしっかりたどる必要があります。

 0〜5歳までの脳の発達において「動物として生きていくためのスキルの獲得」が優先されます。生活の中で五感を繰り返し刺激して脳を発達させ、自然界で生き延びる力を獲得するのです。この時期に生活リズムが乱れ、電子機器を多用すると、この原始的な脳の発達が遅れ、脳機能のバランスが崩れるのだそうです。

 小学校に入学する頃には、原始的な脳機能が発達していなければいけないのに、家庭環境が影響して十分な発達がなされていないことで「発達障害もどき」なる子が存在しているのだそうです。

 しかしながら脳は発達し続けています。幼い頃に悪影響があったとしても、その後の環境次第で脳が発達し、成長していくのです(脳の可塑性)
 ですのでこれからの小学校時代に、どのような支援をすればよいのかを考え、実践することが重要です。

 本書では、「睡眠」の大切さ、そして生活リズムを整えることが大切であると述べています。具体的には次の3つの具体策だそうです。

★「朝日を浴びる」
★「十分に眠る」
★「規則正しい時間に食べる」

 成田先生は、ごく当たり前のことを述べています。しかしながら、この「当たり前」すらできていないことが問題なのです。

「早ね、早起き、朝ごはん」はどれも大切ですが、まずは「早起き」をするように心がけるとよいと思います。

 規則正しい生活が健全な脳機能発達を促します。