5・12(金) 努力なしでは報われない・・・【校長室より】
- 公開日
- 2023/05/12
- 更新日
- 2023/05/12
校長室
5/1付 中日新聞朝刊「中日春秋」を以下に紹介します。
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「カップ・オブ・コーヒー」直訳すればコーヒーのカップだが、野球界の独特の言い方で米大リーグでよく使われる。いい意味ではない。
下部組織のマイナーリーグから大リーガーに昇格したものの、振るわず、またたく間にマイナーに逆戻りする選手のこと。栄光の期間がコーヒー1杯を飲むほどに短いという意味なのだろう。
ありがたくない「カップ・オブ・コーヒー」になることさえ、その選手にとっては大きな目標だったはずだ。なにせ十三年間、大リーグでの出場はなく、マイナーリーグのチームを転々として過ごした。ピッツバーグ・パイレーツのドリュー・マジ内野手。三十三歳。引退を考えても不思議ではない年齢と言える。
その夢がかなった。二十六日の大リーグの試合。代打で初出場を果たした。初打席に向かうオールドルーキーにファンが一斉に立ち上がり、大きな拍手を送る。年棒は低く、生活の苦しいマイナー暮らし。それでも、あきらめず、夢を追い続けたことへの敬意なのだろう。
良い当たりのファールを打ったが、三振に終わる。それでも拍手が鳴りやまない。試合後、「人生でこれ以上幸せな三振はなかった」と語っていた。
努力すれば報われるとはいいにくい時代かもしれない。が、努力をしなければ、報われないのは本当だろう。数えきれぬほど、コーヒーを楽しめる時間を期待する。
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大リーガーになる夢を追い続け、苦しい下積み生活を続けてきた選手が、最後の最後でつかんだ「幸せ」であったのでしょう。
大リーグで成功をおさめるのはほんの一握りの選手。どんなに練習し、努力を重ね続けても夢がかなわないことがあるのは、現実です。
だからと言って、努力もせず、あきらめてしまっては、人としての成長はないと思います。