1・27(金)遅考のすすめ【校長室より】
- 公開日
- 2023/01/27
- 更新日
- 2023/01/27
校長室
近年の情報化により、世の中はさらに効率化が進んでいます。「手際よく速く処理する」ことがすべて「善し(よし)」と思われている風潮があるように感じているのは私だけでしょうか。
先日、図書館に行ったとき、「遅く考える」というワードに惹かれて何気なく手に取った本があります。植原亮著『遅考術(ちこうじゅつ) じっくりトコトン考え抜くための「10のレッスン」』という本です。
思考プロセスには、1「直観」と2「熟慮」の二つがあると著者は言います。
直観ばかりに頼っていると時に大きな間違いが起きることが多いとも述べています。
「熟慮」が「遅考」となるわけですが、では、「遅考」はどのようにすればよいのでしょうか。
著者は、次の3つを意識することが大切であるとしています。
(1)思いついた考えや言われたことをいったん否定してみる。「Aではないのではないか」と自問する。
(2)条件を何度も確認する。見落としがあったり、別の仮説を思いついたりする可能性がある。
(3)もっともだと思える仮説にたどり着くまで、あれこれ粘り強く考える。想像力を働かせる、文献を参照する、他の人と相談するのも有効。
「まずは否定から考える」のは、批判的思考(クリティカルシンキング)つまり、物事を多面的・多角的に考える思考プロセスの大切な一要因であると思います。
本著書は、対話形式で記述されており、また、演習問題が随所にあって、じっくり考えながら読み進めることができます。ぜひ、ご一読をおすすめします。