11・12(金)どうしても頑張れない人たち【校長室より】
- 公開日
- 2021/11/12
- 更新日
- 2021/11/12
校長室
「どうしても頑張れない人たち」(2021.4.20発行、新潮新書)は、宮口幸治(みやぐち こうじ)さんが書かれた本です。「ケーキの切れない非行少年たち」の第2弾という形で出版されています。「ケーキの切れない非行少年たち」は漫画化もされています。読まれた方も多いのではないでしょうか。
宮口さんは、精神科医で長年、精神科病院や医療少年院で勤務された方です。その時の経験から書かれた本です。
医療少年院にくる子は、認知に問題があり、「怠けている」のではなく、「怠けているように見える」だけで、決してさぼっているわけではないと宮口さんは言います。頑張り方がわからずに、苦しんでいるというのです。苦しんでいるからこそ、支援が必要といいます。どんな支援が必要なのかは、本書に詳しく書いてあります。ぜひ読んでみてください。
本書の中で、印象に残ったことは、「誰もが認知機能を強化できるとは限りませんので、その場合は、対人マナーを高めればよいのです」という部分です。対人マナーは、訓練すればできるようになります。具体的に、対人マナーとは「あいさつ、謝罪やお礼の仕方、上手な断り方、適切な相手との距離、視線の向き、声の大きさ」といったものです。
学校生活においても、子どもたちは、集団生活を通して、対人マナーを学びます。それは、放課中はもちろん、授業中にピア・サポート活動を行なったり、道徳の時間に資料を通して話し合ったりするなど、人とのかかわりの中で対人マナーを学びます。
どの子も、日々、確実に成長し続けます。その成長がよりよい方に向かうよう、今後も子どもたちに寄り添った指導を心がけていきます。