学校日記

5・21(金) 失敗は成功の・・・【校長室より】

公開日
2021/05/21
更新日
2021/05/21

校長室

次の記事は、5/17付中日新聞朝刊「中日春秋」からの引用です。
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 リンゴのタルトをこしらえようとした姉がうっかり型に生地を敷くのを忘れ、リンゴだけ入れてオーブンの火をかけてしまったそうだ。それに気づいた妹が機転を利かせ、そのまま上から生地をかぶせて焼き上げた。客に出すと味と香りが評判を呼び、人気となった。諸説あるが、フランスの洋菓子の「タルト・タタン」は1890年ごろ、こうやって生まれたそうだ。失敗が成功につながった。

 米国の化学者、スペンサー・シルバーさんが亡くなった。80歳。はて、どなたかと思われるだろうが、この方も、失敗を大きな成功に変えた物語をお持ちである。化学・事務用品メーカーに勤めていた1968年、航空機の製造に使えるほど強力な接着剤の開発を目指していた。ところが何度やってもうまくいかない。失敗を繰り返すうち別のものを発明した。簡単にはがれ、再使用できる接着剤。やがて、これが世界的な大ヒット商品につながる。糊(のり)付き付箋の「ポスト・イット」である。

 タルト・タタンに妹の知恵があったように「ポスト・イット」もこの人だけの手柄ではない。役に立ちそうもないシルバーさんの接着剤に同僚が目をつける。この同僚、合唱が趣味だったが、楽譜に挟んだ栞(しおり)がすぐに落ちてしまうので困っていたそうだ。失敗、無益、役立たず。そう見えたものも、人が少々知恵を加えることで光輝くことがある。
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「失敗は成功の基(もと)」ということわざがあります。意味は、失敗することによってやり方を改めることができ、かえって成功へと繋がることになるから、一度や二度の失敗にくじけるべきではないという教えです。同じようなことわざで「失敗は成功の母」「七転び八起き」があります。

 日頃の学校教育で大切にしていきたい考えです。大人も子どもも「失敗」はできたら避けたいと思うものです。しかし、失敗したとき、「次に生かすにはどうすべきか」というふうに考える思考が大切です。このような思考の流れを子どもたちに育んでいきたいです。