学校日記

4・30(金) 『スマホ脳』ってご存知ですか?【校長室より】

公開日
2021/04/30
更新日
2021/04/30

校長室

 近年、スマートフォン(以下スマホ)が普及し、情報が簡単に手に入るとともに、多くの人とつながることができる時代となりました。大人で、スマホを持っていない人は、ほとんどいないのではと思います。子どもたちにおいても、スマホを利用したことがある子もいれば、ゲーム機などオンラインでつながっている子も大勢いると思います。

 先日、本屋に立ち寄ったとき、タイトルに惹かれて購入した本があります。『スマホ脳』(新潮新書)、スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセンさんが書かれた本です。その本によると、脳内伝達物質ドーパミンは、報酬物質と呼ばれ、何に集中するかを選択させるのだそうです。つまり、人間の原動力とも言えるのだそうです。そして、脳は常に新しいものが好きで、「かもしれない」が大好きなのだと記しています。スマホには、「新しいもの」「かもしれないもの」が満載のため、すぐ手に取りたくなるのだそうです。だから「スマホは私たちの最新のドラッグである」としています。アップル社の創業者スティーブ・ジョブスが、わが子のiPad使用を制限していたことやフェイスブックの「いいね」機能を開発したローゼンスタインが、自身のフェイスブックの利用を自分自身で制限したことが述べられていました。現代のデジタル社会の立役者たちは、ちゃんとスマホの危険性を熟知していたのですね。

 本書を読み進めながら、私自身の生活を振り返ってみました。携帯電話を使い出したのは、およそ30年前。いつでも、どこでも電話やメール連絡ができるようになりました。そして10年ほど前からスマホを利用し、多くの情報を短時間に大量に得る生活になりました。最近は、自宅に帰ると、いつの間にかLINEやツイッター、あるいはインターネットを閲覧している自分に気づきます。まさにスマホは、魅惑的な機器であり、「ドラッグ」だと思います。デジタルの急速な進歩に脳の機能が混乱をきたしているのではないでしょうか。スクリーンを長時間見ていることにより、ブルーライトが脳に悪影響を与えるという研究結果も報告されているぐらいですから。

 今週末から、大型連休が始まります。コロナ禍ということもあり、外出自粛をせざるを得ないと思います。よい機会です。スマホやゲーム機を見ない1日を作ってみてはどうでしょうか。ただし、事前に「その日一日はスマホを見ませんよ」とよく連絡を取る人に伝えた上で実践してみてくださいね。

 最後に、子どもたちにスマホやゲーム機など、デジタル機器を利用させる場合には、必ず利用時間(視聴時間)を決め、守らせることをしていきたいですね。未来に生きる子どもたちに責任をもつ大人として・・・。

下記の配布文書もご確認ください。

デジタル端末機器利用で気を付けていただきたいこと

保護者が正しく知っておきたい4つの大切なポイント