伝統の美 11月10日
- 公開日
- 2021/11/10
- 更新日
- 2021/11/10
校長だより
4年生の教室前に先日行った名古屋友禅の作品が飾られています。それぞれが好きな柄の型紙を選び、柄付けをした後、模様部分に伏糊(糊で彩色部分を囲み、色の移りを防ぐこと)をし、色を差し、糊を洗い流した後、アイロンで色の定着をし仕上げました。
愛知県のウェブサイトでは、名古屋友禅について「尾張藩主徳川宗春(とくがわむねはる)の頃(1730〜1739年)に、京都、江戸などから友禅師が往来し、その技法が伝えられたことに始まります。しかし宗春失脚後、質素倹約が励行されるようになり、模様の配色も色数を控えたものへと移行しました。当地方の土地柄を反映して、単彩濃淡調の色使いのなかに幽玄さを秘めた"渋(しぶ)"さを特徴としています」と紹介されています。
日本で古来から用いられていた伝統色、紅梅(こうばい)、萌黄(もえぎ)、つゆ草など自然や季節を感じさせるやわらかな色合いと、にじみやグラデーションの技法を用いた一人一人のこだわりが感じられる、世界に一つだけの力作ばかりです。
これからどこかで名古屋友禅の作品を目にすることがあったとき、子どもたちは、自分たちで体験したことを思い出しながら、作品を深く味わい鑑賞できることと思います。作品を見ながら、自分たちの生きている土地で受け継がれているものとその価値を知る体験ができたことは、尊いことであるとありがたく思いました。13日の学習発表会の折には、ぜひご覧ください。