東日本大震災から10年 3月11日
- 公開日
- 2021/03/11
- 更新日
- 2021/03/11
校長だより
今日、3月11日で東日本大震災から10年がたちます。新聞やメディアでは、避難生活を送る人がいまだに4万人を超えること、2526人の人たちの行方が分からないこと、多くの困難や悲しみを抱えながらも、少しづつ前へ進もうとしている人々の歩みが伝えられています。また、震災が人々の記憶から薄れていかないよう、体験を語り継ぐなどの活動についても紹介がされています。以前のニュースで、私は、震災時に高校の先生が生徒とともに人命救助や遺体の搬送などを行った手記を公表したことを知りました。
生徒たちに「絶対に死ぬなよ」と声をかけ、がれきの中の生存者を探したこと、建物の中はがれきの山と化し、ガス漏れの音が不気味に響いて、地獄のような状態だったことなどが手記には書かれていると紹介されていました。先生が悩みつつも手記を公開した経緯の中で「人の心にひっかかることがないと、記憶は薄れ、忘れられてしまうから」と話されていたことが印象的でした。
今から26年前の阪神淡路大震災が起きた朝、私は台所に立って、朝ごはんを作っていました。突然の体を貫くような鈍い大きな揺れに驚き、慌ててガスの火を消し、まだ寝ていた子どもが大丈夫か見に行きました。寝息を立てる子どもの姿に安堵した後、テレビに映った変わり果てた街の姿に驚きました。当時、私の兄弟が兵庫県に住んでおり、心配で電話をかけましたが、電話はつながらず、連絡を取ることができませんでした。私が地震で思い出す経験は本当に些細なことですが、今でも、地震のニュースを見るたびに、その日のことを思い出します。
今日も学校では、元気な子どもたちの姿が見られます。子どもとともに、災害は、いつかどこかで起きることではなく、自分にも起きることとして知る努力をする、そして、忘れない、心にひっかかることを意識して自分から見つけていくことをしていかねばと思います。